藪内さんの「想い」

私は、一昨年まで公務員をしており、年金・健康保険・介護保険で計18年間の窓口業務を担当しました。
私が退職を決断した、1つのエピソードがございます。

夫婦の年金が夫1人の施設費用でなくなってしまい、貯金を取り崩しながら生活していた老婦人が介護保険窓口に相談に来ました。
「貯金が底をつき、生活保護を受けに来たが持ち家があるために断られた。これからどうやって生きて行けばよいか。」と。確定申告をすれば、施設費用だけでなく、税金や保険料なども軽減されることがわかりましたが、女性には夫以外に身寄りもなく、確定申告ができません。

一職員が手を出すこともできません。
私は休暇を取り、その女性の手続きに付き添いました。
結果、施設費用が月10万円削減できましたが、女性から市長へのお礼状により、私の越権行為が判明し、上司から叱責を受けました。
ですが、手紙にあった「死ななくてすみます」という女性の一言に救われました。

このように、確定申告や住民票の手続き1つで救える人たちがたくさんいますが、公務員時代は、公務員だからこそ手を差し伸べることに大きな障害がありました。

今は、税金や社会保険料、医療費、介護サービス費などの公的支出を横断的に診断し、適正化する「賢約サポート」を広める活動をしています。
これは、公務員時代のキャリアがあってこそ、作ることができた活動です。

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